心の中に疚(やま)しいことが無ければ、天に対して少しも恥じることはないという四字熟語です。
【愧】は、はじ‐る。慙愧(ザンキ)に堪(た)えない、などと使われます。
出典は『孟子・尽心章句上』です。
書物の『孟子』、儒家の孟子(孟軻)については 【今日の四字熟語 No.61。No.64。】に簡単ですが記載してありますので参照してください。
尽心の20章に、君子の三つの楽しみとして記載されている中に、この【仰天不愧】が出てきます。
孟子が言いました。君子には三つの楽しみがある。
第一の楽しみは、父母が健在で、兄弟姉妹が無病息災であること。
第二の楽しみは、仰いでは天に対して恥かしいことがなく、
俯しては誰に対しても後ろめたいことがないこと。
第三の楽しみは、天下の秀才を門人として教育し、立派な人物に育て上げること。
しかし天下の王者として君臨することは、この中に入ってない。
と書かれていました。