酷(むご)い仕打ちと、窮(きわ)まりない苦しみを表した四字熟語です。
『菜根譚』前集128条によりますと、【横逆困窮】は、優れた人物をさらに鍛え上げるために天が与えた試練だそうです。
横逆困窮、是鍛煉豪傑的一福鑢錘。
横逆困窮は、是れ豪傑を鍛煉(タンレン)するの一副(イップク)の鑢錘(ロスイ)なり。
酷(むご)い仕打ちと、窮(きわ)まりない苦しみを受けることは、
豪(ゴウ:十人に一人の優れた人)傑(百人に一人の優れた人)を鍛え上げるために
天から与えられた錬金術の設備のようなものだ。
能受其鍛煉則身心交益。
能(よ)く其の鍛煉を受(う)くれば、即(すなわ)ち身心(シンシン)交(こもご)も益(エキ)す。
その試練を受けることができると、身と心の両方とも利益を得ることができる。
不受其鍛煉則身心交損。
其の鍛煉を受(う)けざれば、即(すな)ち、身心交も損(ソン)す。
その試練を受けることができなければ、身と心の両方とも損害を
こうむりだめになる。
【横逆困窮】の状態にある人は、天が豪傑と認めた人なのでしょう。