美しい女性、美人はとかく病弱で早死にしやすい薄命であるということを表した言葉です。。
蘇軾の「薄命佳人」と題する七言律詩の7句目にでています。
双頰凝酥 髪抹漆
双頬(ソウキョウ)は凝酥(ギョウソ) 髪(かみ)は漆(うるし)を抹(マッ)す
頬は白くきめ細かく、髪は漆を塗ったように黒々としている
眼光入簾 珠的皪
眼光(ガンコウ)は簾(レン)に入(い)りて 珠 的皪(シュテキレキ)
簾を通して見える眼は、珠のように鮮明に輝いている
故将白練 作仙衣
故(ゆえ)に白練(ハクレン)を将(もっ)て仙衣(センイ)と作(な)す
白い練り絹の法衣を身にまとい
不許紅膏 汚天質
許(ゆる)さず 紅膏(コウコウ)の天質(テンシツ)を汚(けが)すを
唇に紅をさすことは許されない、もって生まれた美しさを汚すから
呉音嬌軟 帯兒痴
呉音(ゴオン)嬌軟(キョウナン)にして児(ジ)の痴(チ)なるを帯(お)ぶ
南方の呉の訛りは艶かしく、どこかあどけなさを漂わす
无限閑愁 総未知
無限(ムゲン)の閑愁(カンシュウ) 総(すべ)て未(いま)だ知(し)らず
この世のそぞろにわき起こる愁いも、まだ知らず
自古佳人 多命薄
古(いにしえ)より佳人(カジン)は多(おお)く命(メイ)薄(うす)し
古より佳人は、多く薄命である
閉門春尽 楊花落
門(モン)を閉(と)じ春(はる)尽(つ)き楊花(ヨウカ)落(お)つ
門を閉ざしているうちに春も終わり、カワヤナギの花も落ちてしまう