むごたらしく人を苦しめ、人の道にはずれていることを表した四字熟語です。
【暴】は、日と獸の死骸の形とを組み合わせた形から作られた会意文字です。
獸の死骸が太陽にさらされている形で、「さらす」の意味となり、さらけだすことから、
「あばく」の意味となりました。
日照りにさらされて、死骸がたちまち分解して骨があらわれることから、「たちまち、
にわか、あらわれる」の意味にも用いられるようになりました。
【虐】は、虎が爪を表している形から作られた象形文字です。
【虐】の上部は、虎の体の上半分、下は爪を立てている形です。
【暴虐】は、心があらく、人を苦しめることの意味に用いられます。
【非】は、「すき櫛」の形から作られた象形文字です。
「あらず」という否定の意味に用いるのは、その音を借りる仮借(カシャ)の用法です。
【道】は、首と辵(歩く/行く)とを組み合わせた会意文字です。
古い時代には、他の氏族のいる土地は、その氏族の靈や邪靈がいて災いをもたらすと
考えられたので、異属の人の首を手に持ち、その呪力で邪靈を祓い淸めて進んだ。
その祓い淸めて進むことを導(みちびく)といい、祓い清められたところを【道】といい、
『みち』の意味に用いられました。
【非道】は、広辞苑によりますと①道理にもとること。みちならぬこと。②人情にはずれること。
むごたらしいこと。残酷。③専門外のことがら。
【暴虐非道】の場合は、②人情にはずれること。むごたらしいこと。残酷。の意味です。
字源に関しましては『常用字解』『字通』『字統』によります。
【暴虐非道】に類義の四字熟語につぎのようなものがあります。
悪逆無道(アクギャクムドウ)
極悪非道(ゴクアクヒドウ)
残酷非道(ザンコクヒドウ)
残忍酷薄(ザンニンコクハク)
残虐非道(ザンギャクヒドウ)
残虐無道(ザンギャクムドウ)
残忍非道(ザンニンヒドウ)
残忍冷酷(ザンニンレイコク)
大逆無道(タイギャクムドウ)