【刻苦】:力を尽くし非常に苦労すること。
【勉励】:つとめはげむ。精を出すこと
【刻苦勉励】:非常に苦労して務め励むこと、を表す四字熟語です。仕事についても言いますが、
むしろ学問の場で言うことが多いようです。
韓愈の『柳子厚(リュシコウ)墓誌銘』に【刻苦】の使用例があります。『柳子厚墓誌銘』につきましては
「今日の四字熟語 No. 38 落穽下石」を参照してください。
【閒(カン)に居(を)りて、益々(ますます)自(みずか)ら刻苦し、記覧(キラン:記憶、見聞)に務め、詞章(シショウ:詩歌、文章)を為(つく)る、汎濫停蓄(ハンランテイチク:学識が広く深い)、深博(シンパク:よく知りつくしている)にして涯涘(ガイシ:限り)無きを為(な)す】
大体の意味は、苦労して学問に励み詩歌をよくし、学識が広く深いことは限りない、と言うことです。
韓愈が柳宗元を讃えて書き記した文章です。
【勉励】は司馬遷が、友達の友達である任安(ジンアン)に宛てた手紙の中に出てきます。『報任少卿書(ジンショウケイにあたうる書)』という標題で『文選(モンゼン)』に収録されています。
傳(デン)に曰く。刑は大夫に上(のぼ)さず、と。 此(これ)は士節の勉励せざるべからざるを言うなり。
古い書物には「刑罰は大夫に適用しない」とあります。士たる者は節操を厳しく守らなければならないと
いってます。
「勉励せざるべからざる」、舌をかみそうな言い回しですが、二重否定と言いまして、強い肯定を表します。
「傳に曰く」の言わんとしているのは、大夫(日本で言うならば官僚と呼ばれている者)たる者は、
本来清廉潔白で犯罪行為をしないはずの者であるから、刑罰の規定はない。と言うことです。