不気味な感じの四字熟語です。骨(ほね)を換(か)え胎(たい:胎児のこと)を奪(うば)う、と訓読みします。とんでもない残酷なことを例に出して言っていることは、先人の詩や文章を、
① 意味はそのままで字句だけを変えて自分の作品としてしまうこと(換骨法)、
② 意味を参考にして自分なりの表現で作品を作ること(奪胎法)です。
この四字熟語が出ているのは北宋(960~1126)の覚範慧洪(かくはんえこう:1071-1128)編の「冷斎夜話(れいさいやわ)」という逸話集の中で、黄庭堅(こうていけん:1045-1105)が詩文の作り方として、「詩意(詩の題材)は限りなくあるが、人の才能には限りがある。だから、その表現には 換骨法、奪胎法をとるしかない」というようなことを言った、と書いてあります。
「換骨奪胎」された詩文の原作者は面白くないと思いますけどね。 中国では昔からこんな作り方が推奨されていたんですね。だからいま詩文に限らず、いろんな「換骨奪胎」が平気で罷り通っているんでしょうかね。
『面白い恋人』 面白くていいんじゃない、という気に私はなれません。