【漸(ゼン)に杜(ト)じ、萌(ホウ)を防ぐ】と訓読みされまして、
悪いことが大きくならないうちに防ぎ止めれば、災いは消滅し、害が除かれて福がやってくる、という文章の中の、最初に出てくる四字熟語です。
【杜:ト】は、「と・じる」という意味です。
【漸:ゼン】は、次第に増大することをいいます。
【萌:ホウ】は、発生したばかりの“きざし”の意味があります。
出典は『後漢書』の丁鴻(テイコウ)傳です。後漢の官僚:丁鴻の上奏文の一部です。
若敕政責躬
若(も)し政(まつりごと)を敕(ただ)し躬(み)を責め
もし、政治を正し、自らの身を責め、
杜漸防萌
漸(ゼン)に杜(と)じ萌(ホウ)に防(ふさ)がば
事が大きくならないうちに、萌(きざし)はじめのうちに防いでしまえば、
則凶妖銷滅
則(すなは)ち凶妖(キョウヨウ)銷滅(ショウメツ)し
不吉なことや、災いは消滅し
害除福湊
害(ガイ)除(のぞ)かれ、福(フク)湊(いた)らん。
害をなすものは除かれ、幸せがやってくる。