【一字識(し)らずして】と訓読みされまして、【文字は一字も知らないのに】詩がわかるというのは、そういう人こそ、詩を作った人の本当の心を理解できる人である、という意味です。
『菜根譚』後集46条にある言葉です。
一字不識、
一字識らずして、
文字は一字も知らないのに
而有詩意者、
而(しか)も詩意あるは、
詩の心がある人は、
得詩家眞趣。
詩家の眞趣を得。
詩を作る人達の本当の心持ちを理解できている人である。
一偈不參、
一偈(イチゲ)參せずして、
仏の教訓を一つも習ってないのに、
而有禪味者、
而も禪味あるは、
禪の妙味がそなわっている人は、
悟禪敎玄機。
禪敎の玄機を悟る。
禪の教えの最も大事な働きを悟ることができている人である。