生き生きと活動すること、意気盛んで、元気のいい様子を言う四字熟語です。
語構成は、【活】+【潑潑】+【地】 です。
【活】は、生き生きしていること、
【潑潑】は、魚が勢いよく水の上をピチピチと跳ねあがっているようすです。
また【撥撥】とも書きます。
【地】は、状態を表す助字です。
夏目漱石【三四郎】に【活潑潑地】が出ています。
三四郎は物足りたとは答えなかった。しかし満更(まんざら)物足りない心持もしなかった。
すると与次郎は大(おおい)に小さん論を始めた。
小さんは天才である。あんな芸術家は滅多に出るものじゃない。何時(いつ)でも聞けると思うから
安っぽい感じがして、甚だ気の毒だ。
実は彼と時を同じゅうして生きている我々は大変な仕合せである。
今から少し前に生れても小さんは聞けない。少し後(おく)れても同様だ。――円遊も
旨(うま)い。しかし小さんとは趣が違っている。
円遊の扮した太鼓持は、太鼓持になった円遊だから面白いので、小さんの遣(や)る太鼓持は、
小さんを離れた太鼓持だから面白い。円遊の演ずる人物から円遊を隠せば、人物がまるで
消滅してしまう。
小さんの演ずる人物から、いくら小さんを隠したって、人物は【活潑潑地】に躍動するばかりだ。
そこがえらい。