支援してくれる軍もなく、孤立した状態の軍が敵と精一杯戰うことを言います。
また、孤立した少数の軍勢が、敵と懸命に戰う意味から転じて、
一人で難事業に向かって一生懸命努力することの例えにも使われます。
【孤軍】は、味方から離れ援軍が期待できない状態にある、少数の部隊のことです。
【奮闘】は、全力を出して戦うことです。
菊池寛の小説『島原の乱』板倉重昌憤死之事 に【孤軍奮闘】がありました。
二十日の黎明、忠茂五千の兵をもって三の丸を攻撃した。家臣立花大蔵長槍を揮って
城を攀じて、一番槍と叫びもあえず、弾丸三つまでも甲を貫いた。
忠茂怒って自ら陣頭に立って戦うが、城中では予(かね)てよりの用意充分で、
弓鉄砲の上に大石を投げ落すので、寄手の討たれる者忽ち算を乱した。
重昌之を見て、松倉重次に応援を命ずると、卑怯の重次は、勝てば功は忠茂に帰し、
敗るれば罪我に帰すとして兵を出そうとしない。
重昌は忠茂の【孤軍奮闘】するを危(あやぶ)んで、退軍を命ずるが、土民軍に軽く
あしらわれた怒りは収らず、なかなか服しようとはせず、軍使三度到って漸く帰陣した。
現代では専ら、転義としての【一人で難事業に向かって一生懸命努力すること】の例えに使われることが多いようです。