さまざまな苦労や困難をすること。また、そうした苦しみが連続することをいいます。
【千】【万】は数の多いことを示します。【辛】【苦】は、辛いこと、苦しいことです。
元の張之翰(チョウシカン)の『元日詩』に【千辛万苦】が使われています。
千辛万苦、都(すべ)て嘗(な)めて遍(あまね)し
ありとあらゆる苦労をなめ尽くし
祇(た)だ呉淞(ゴショウ)の水有(あり)て、最も甘し。
その苦労をなめ尽くしたわが身には、呉淞の水ほど美味しいものはない。
また、平賀源内の『神靈矢口渡(シンレイやぐちのわたし)』 三幕目:生麦村道念庵室の場の一節
死は一旦にして安し。
跡に残って若君を守りたつるこなたの大役。
死するに増さる【千辛万苦】。