虎や狼のように残忍で貪欲な心をいいます。
戦国時代、B.C.237年、大梁(タイリョウ)の尉綾(イリョウ)が秦王の下で、諸侯討滅の策を説いた後、
秦王(後の始皇帝)の性格を評して言った言葉です。
『秦始皇本紀』の【虎狼之心】の前後の文章です。
秦王の人となりは、鼻は高くて蜂のような恰好、切れ長の目、猛禽のように突き出た胸、
豺(サイ)のような声で恩愛はすくなくて【虎狼のような心】だ。
困窮しているときには平気で人の風下にに立つが
志を得れば人を軽蔑して残酷にあつかうだろう。
わたし(尉綾)は、無位無官の者にすぎないが、その私にあうのに、常にわれとわが身を、
私の下に置いている。
誠に秦王が天下をとることにでもなれば、天下の人々はみなそのとりこになってしまうだろう。
久しく交際することのできない人物だ。