無実であることを言いたててそしり、人を罪におとしいれる。と言う意味です。
【擠】は、音読み「セイ」、意味は「お・す」です。
【陥】は、音読み「カン」、意味は「おとしい・れる」です。
【擠陥】は、人を罪におとしいれる。
【讒】は、音読み「ザン」、意味は「そし・る」です。
【誣】は、音読み「ブ」、意味は「罪の無い人を罪にあてる」です。
【讒誣】は、無実であることを言いたててそしる
中島敦『李陵』に【擠陥讒誣】が使われています。
調子のよいときの武帝は誠に高邁闊達(コウマイカッタツ)な理解ある文教の保護者だったし、
太史令という職が地味な特殊な技能を要するものだったために、官界につきものの
朋党比周(ホウトウヒシュウ)の擠陥讒誣(セイカンザンブ)による地位(あるいは生命)の不安定からも
免れることができた。
数年の間、司馬遷は充実した・幸福といっていい日々を送った。
(当時の人間の考える幸福とは、現代人のそれと、ひどく内容の違うものだったが、
それを求めることに変わりはない。)
妥協性はなかったが、どこまでも陽性で、よく論じよく怒りよく笑いなかんずく論敵を完膚(カンプ)
なきまでに説破することを最も得意としていた。
【朋党比周】は、同志が団結して助け合い、仲間以外の者を排斥すること、です。