人の心の微妙な働き、其れも霊妙な働きを言います。
『大学』伝第五章にある四字熟語です。それを佐藤一斎先生は『言志晚録』十二条で解説しています。
『大学』伝第五章の現代語訳は
思うに、人の心は霊妙なもので、どんなばあいでも知識が働くものであり、また世界の物事
には、どんなばあいでも理が備わっている。
ただ物事に内在する個別的な道理について、まだ十分には明らかにし尽していない点がある
ために、その知識にも十分でないところがあるのである。
『言志晚録』十二条の現代誤訳は
人の心の霊妙なる働きは、何事でも知ろうと思えば、知らずにおかない事である。
まことにこの知性こそは、人間を照らす不思議な光であって、この光が人間の情欲を適正に
指導するものと言うことができる。