葦(あし)の穂先に作った不水鳥の巣のように、頼るべき足場がしっかりしていないと、危険にさらされてしまうことを表した言葉です。
『荀子』勧学篇にでています。
南方に鳥有り、名を蒙鳩(モウキュウ)と曰う。
南方に、蒙鳩(みそさざい)という鳥がいる。
羽を以て巢と爲し、而(しこう)して之を編むに髮を以てし、
羽で巣を作り毛髪で編んで
之を葦苕(イチョウ:アシのほさき)に繫(つな)ぐ。
それを葦の穂さきに繫ぐ。
風至りて苕(チョウ:ほさき)の折るれば、卵破れて子は死す。
ところが風が吹いて葦の穂が折れてしまうと、巣の中の卵は割れて子は死んでしまう。
巢の完(まった)からざるに非ず。
これは、巣が不完全なのではなく、
繫ぐ所のもの然(しか)らしむるなり。
繫いだ葦の穂がそのようにさせるのである。