【蚤(はや)く寢(い)ね晏(おそ)く起(お)く】と訓読みされまして、夜は早く寝て、朝は遅くまで寝ていること。赤ちゃんや幼児の様子を言った四字熟語です。
「蚤:ソウ」は、①虫の「ノミ」と②早い、の意味があります。
「寝」の正字體が、「寢」です。
「晏:アン」は、「おそい」の意味です。
「起」の正字體は、細かい話ですが、「己」のところが「巳」となります。
【蚤寝晏起】は『礼記』内則(ダイソク:家庭内の決まりごと)にでていまして、赤ちゃんと幼児、それとお嫁さんを除いた一般の人の朝の作法について記載されています。
雞(にわとり)初(はじ)めて鳴けば、
咸(みな)盥漱(カンソウ:うがい手洗い)し、
服を衣(き)て、
枕簟(チンテン:寝床)を斂(おさ)め、
室堂及び庭を灑掃(サイソウ:掃除)し、
席を布(し)き、
各(おのおの)其の事(与えられた仕事)に從う。
孺子(ジュシ:こども)は蚤(はや)く寢(い)ね晏(おそ)く起(お)く。
唯(ただ)欲する所のままにして、食(くら)うに時(とき)なし。