日本の歴代天皇が継承してきた、と言われている「三種の宝物」、「三種の神器」の一つです。
「三種の神器」とは、
1)八咫之鏡(やたのかがみ)
咫(た・あた)は古代の長さの単位で、親指と中指を開いた長さです。
また円周の単位ともされ、径1尺の円の円周を4咫としていたようです。
したがって、「八咫鏡」は直径2尺(46cm 前後)の円鏡ということになります。
記紀神話で、天照大神が天の岩戸に隠れたとき、石凝姥命(いしこりどめのみこと)が作った、
という鏡。
天照大神が岩戸を細く開けた時、この鏡で天照大神自身を映し、興味を持たせて外に
引き出し、再び世は明るくなった、と言われています。
のちに鏡は天照大神が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に授けたそうです。
2)八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)
八尺の緒に繋いだ勾玉。岩戸隠れの際に玉祖命(たまのおやのみこと)が作り、
八咫鏡とともに榊の木に掛けられました。
3)草薙剣(くさなぎのつるぎ)
記紀神話では須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲・簸川上(ひのかわかみ)で倒した
ヤマタノオロチの尾から出てきた剣。
後、ヤマトタケルノミコトが譲り受け、移動中、周りを火で囲まれたとき、姫を守るため
自らの周りの草を薙ぎ倒したことから、こう呼ばれました。
『古事記』では、天照大御神が天孫降臨の際に、瓊瓊杵尊に「八尺の勾玉」、「鏡」、「草薙剣」を授けたと
記載され、
『日本書紀』には三種の神器を授けた記事は無く、
第一の一書に「天照大神、乃ち天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと)に、
「八尺瓊の曲玉」及び「八咫鏡」「草薙剣」、三種(みくさ)の宝物(たから)を賜(たま)ふ」と
記載されていました。