【光風】:雨上がりの爽やかな風。
【霽月】:とくに光が冴えて見えることから、雨上がりの月。【霽】は雨+齊の形声文字で、音はセイ、意味は
晴れる、雨上がり澄み切った空を言います。
【光風霽月】は、文字どおりには、雨上がりの爽やかな風と冴えわたる月を、表しているのですが、人柄が
さっぱりとして、清々しいと言うときにもこの【光風霽月】が使われます。
『宣和遺事(センナイジ)前集(北宋末期、徽宗(キソウ)皇帝のときの説話集。水滸伝のネタ元と言われているようです)』に文字通りの意味で、次の文章があります。
〔大概は、光風霽月の時少なし、陰雨晦冥(インウカイメイ:雨が降り続いて暗い日)の時多し〕。
晴れて爽やかな日は少なく、雨で暗く鬱陶しい日が多いということと、世情がそういう状態であることを
暗に言わんとしています。例文だけでは分からないと思いますが。
北宋の儒学者周敦頤(シュウトンイ:字は茂叔、モシュク)の人柄を当時の詩人黄庭堅(コウテイケン)が褒めた言葉として
〔春陵(シュンリョウ)の周茂叔(シュウモシュク)、人品甚だ高く、胸中洒落(シャラク:心がさっぱ
りしている)にして、光風霽月の如し〕があります。
昨日の新聞の見出し、【帰還困難区域 2.2万人。福島7市町村】
原発事故前の福島県内のきれいな空気は、0.06μ㏜ だったそうです。いまはその10倍も100倍も汚れています。
むかしの『光風霽月』はいつ戻って来るのでしょうか。