【哀(アイ)を節(セッ)するは順(したが)いて変(ヘン)ず】と訓読みされまして、『礼記』檀弓(ダングウ)篇に見える四字熟語です。
変故(ヘンコ:父母の死)に順応するという意味で、身内に限らず人の死は、哀しみの極みである。
悲しみに打ちひしがれて、体調までおかしくなってしまう。
できるだけ気持ちを整え、時が経つにつれて哀しみが収まり、和らぐのを待つようにするのがよい。
悲しみが度を過ぎないように抑えて、時の経過によって少しずつ和らげていくのがよいということ。
喪禮哀戚之至也。
喪禮(ソウレイ)は哀戚(アイセキ)の至りなり。
喪礼は、この上ない悲しみの現れである。
節哀順變也。
哀(アイ)を節(セッ)するは順(したが)ひて変(ヘン)ずるなり。
その悲しみに節度をつけるのは、しだいに変じて軽減させていくのである
君子念始之者也。
君子は之を始(う)める者を念(おも)ふなり。
君子(立派な大人)は自分を生んでくれた父母のことを考えて、悲しみのために
生命を損なうことを恐れるのである。