飲み食いのことしか頭にない人のことを言います。こういう人は世間からは蔑みの目で見られます。
それは、体ばかり養って精神を養うことを忘れていると見られるからです。孟子の意見です。
『孟子』告子上に出ています。
飮食之人、則人賤之矣、
飮食の人は、則ち人これを賤(いや)しむは、
飲食にばかり耽(ふけ)っている人は、世間から軽蔑されるが、
爲其養小以失大也
其の小を養いて以て大を失うが爲なり。
(それは)口や腹といったことばかり養って、精神という大切な部分を忘れているからだ。
飮食之人無有失也、
飮食の人も失うことあるなからんとすれば、
飲食にばかり耽(ふけ)っている人でも、精神の修養を失うことがなければ、
則口腹豈適爲尺寸之膚哉。
則ち口腹(コウフク)も豈(あに)適(ただ)に尺寸(セキスン)の膚の爲のみならんや。
口腹の養いといっても(人の命にかかわることだから)、たんに一尺や一寸の膚を
養うためばかりでは決してないのだ。
飲み食いのことだけでなく精神修養も心掛けなさいと言うことのようです。