【余裕】は、ゆったりとして落ちついていること。
【綽綽】は、余裕と同じような意味を表す擬態語です。ゆったりとした様子を表します。
【綽】一字は音で「シャク」。 タクと読みタクなりますが、あくまでもシャクです。訓読みは「ゆる・やか」です。
【余裕綽綽】は、ゆったりと落ち着いている様子を表す四字熟語です。
孟子が斉国の稷下(ショッカ)に学んでいた時、公孫丑(コウソンチュウ)という者が弟子入りをして来ました。孟子と公孫丑の問答が『孟子・公孫丑篇』に記述されています。書物の『孟子』、儒家の孟子(孟軻)について 【今日の四字熟語 No.61。No.64。】で簡単ですが記載してますので参照してください。
【余裕綽綽】は、孟子が斉の蚳鼃(チア:鼃は圭+黽)に進言したことをきっかけに、孟子への批難が起こった時に発せられた言葉として出てきました。
孟子が蚳鼃に進言しました。
「あなたが霊丘(レイキュウ)の長官をやめて士師(シシ:司法長官)の職を希望したのは、結構なことです。でも、あなたが士師になってからすでに数ヶ月経ちましたが、まだ王様に一言も御意見を申し上げていない。何故ですか」
蚳鼃は王を諌めましたが、用いられなかったので、官を辞して朝廷を去りました。
これを聞いた斉の人々は
「孟子が蚳鼃のためにやったことは、よいことだ。だが孟子は何かやったのか?何かやったなど聞いていないぞ。」 と言い合ってました。
これに対して孟子の答が
「私は、『臣下として官職にある者は、職務が果たせなければ去る。諫言の責任がある者は、その諫言が容れられなければ去るものだ』と、聞いている。今の私は斉の臣下ではない。官職などないし、諫言する責任もない。したがってわたしの進退は余裕綽々として、自由な筈だ。私と蚳鼃を比べるなんて、全くの的外れのことだ」
です。
職務を果たしていない大臣、官僚の方達は即刻辞めて下さい。
・・・・・・・ そうか、職務を果たしていると勘違いしているから、ダメか。