俳諧で、新しさを求め、その時々の世の中の変化に応じることを言うようです。
『去来抄』によりますと
去來曰、蕉門に千歳不易の句、一時流行の句と云有。
(私)去来が言うことには「芭蕉(の俳界)には千歳不易の句と、一時流行の句というものがある
是を二 ツに分つて教へ給へども。
(芭蕉は)これを二つに分けて教えなさったけれども、
其の基は一ツ也、不易を知らざれば基立がたく、
その根本は一つである。不易を理解しないと基本が成り立ちがたく、
流行を辨(わきま)へざれば風あらたならず。
流行を心得ないと作風が新しくならない。
不易は古によろしく、後に叶ふ句なれば、千歳不易といふ。
不易は昔において好ましく、後の世にも合った句であるので、千歳不易という。
流行は一時一時の變にして、昨日の風今日よろしからず、今日の風明日に用ひがたきゆへ、
流行というのは、その時その時の変化であって、昨日、明日には通用しない、
一時流行とは云、はやる事をいふなり。
だから一時流行というのだ。(つまり、一時的に)はやることをいうのである。