柳が茂り、花が明るく咲いている、春の景色の美しい様子を表した四字熟語です。
宋・陸游(リクユウ)の『山西の村に遊ぶ』という七言律詩の4句目にでています。
1 莫笑農家臘酒渾
笑う莫(な)かれ農家の臘酒(ロウシュ) 渾(にご)れるを
笑わないでください 仕込む酒は濁酒
2 豊年留客足鶏豚。
豊年 客を留めて鶏豚(ケイトン)足(た)る
今年豊作 客をもてなす 鶏豚たんとある
3 山重水複疑無路
山重(かさ)なり水複(かさ)なり 路無きかと疑い
山は重なり 川は入り組み、道が途切れたかと
4 柳暗花明又一村
柳暗く花明らかにして 又た一村
柳が茂りこんもりと 花は明るく咲き乱れ さらにその先又一村
5 簫鼓追随春社近
簫鼓(ショウコ)追随して 春社(シュンシャ)近く
簫と太鼓の掛け合いで 春の祭もほど近い
6 衣冠簡朴古風存。
衣冠(イカン)簡朴(カンボク)にして 古風存す
装束 簡素で素朴 昔の習いそのままに
7 従今若許閑乗月
今より若し閑(しず)かに月に乗ずるを許さば
これからも、月に導かれて訪ねてよいのなら
8 拄杖無時夜叩門。
杖を拄(つき)て時無く 夜 門を叩かん
杖を手にして気の向くままに、門をたたきましょう