衣服を貸し合って助けあった友人という意味から、苦労を共にした、親密な友人。また戦友をいいます。
「袍」は、中に綿を入れた服、綿入れの服のことです。絹綿を用いたようです。
敝(やぶれ)れたる縕袍(オンポウ)を衣(き)、狐貉(コカク:立派な衣服)を衣たる者と立ちて
恥じざる者は、其れ由(子路の本名)か。
孔子が子路を褒めているところです。
「澤」は、汗取りのことで、肌着・下着のことを言います。常用漢字で【沢】です。
【同胞同澤】は『詩経』秦風(シンプウ)・無衣(ブイ)に出ています。4言×15句の詩です。
豈曰無衣、 豈(あ)に 衣 無しと 曰(い)ひ、
ここにあるは祖先の衣
與子同袍。 子(シ)と 袍(ハウ)を 同じうせんや。
この長き襦袢(ジュバン)着て祖先の御霊を帯び給え
王于興師、 王 于(ゆ)きて 師(いくさ)を 興(おこ)さば、
王が戦を出しませば
脩我戈矛、 我が 戈矛(クヮボウ)を 脩(しつら)へ、
我が戈矛をたずさえて、
與子同仇。 子(シ)と 仇(きう)を 同じうせん。
御霊と共に戦わん。
豈曰無衣、 豈(あ)に 衣 無しと 曰(い)ひ、
ここにあるは祖先の衣
與子同澤。 子(シ)と 澤(タク)を 同じうせんや。
この短き襦袢着て祖先の御霊を帯び給え
王于興師、 王 于(ゆ)きて 師(いくさ)を 興(おこ)こさば、
王が戦を出しませば
脩我矛戟、 我が 矛戟(ぼうげき)を 脩(しつら)へ、、
我が戈戟をたずさえて、
與子偕作。 子(し)と 偕(とも)に 作(な)さん。
御霊と共にいざ起たん。
豈曰無衣、 豈(あ)に 衣 無しと 曰(い)ひ、
ここにあるは祖先の衣
與子同裳。 子(シ)と 裳(シャウ)を 同じうせんや。
この袴着て祖先の御霊を帯び給え
王于興師、 王 于(ゆ)きて 師(いくさ)を 興(おこ)こさば、
王が戦を出しませば
脩我甲兵、 我が 甲兵(カフヘイ)を 脩(しつら)へ、、
我が鎧と武器をたずさえて
與子偕行。 子(し)と 偕(とも)に 行かん。
御霊と共にいざ行かん。