年少者が学ぶべき、日常生活に必要な仕事や作法のことです。
【灑】は、氵(水)+麗(きれいに並ぶ) から作られた会意文字です。
音は「サイ」、意味は「そそぐ」 です。
【掃】は、扌(手)+帚(音符号)から作られた形声文字です。
音は「ソウ」、意味は「はく、はらう」です。
【應(応)】は、心+ (音符号)から作られた形声文字です。
【對(対)】は、丵(掘削の道具)+土+寸(手) から作られた会意文字です。
丵を手に持って土をうち固める形を文字化したのが【對】です。
音は、呉音で「ツイ」、漢音で「タイ」で、意味は「うつ。むかう。こたえる」です。
【灑掃應對】は、南宋の朱熹が定めた、「四書』の一つ『大学』に対する朱熹の解説である『大学章句』の序文の中にでています。
因みに「四書」は、読む順序の目安も考慮しますと、『大学』、『論語』、『孟子』、『中庸』です。
人生八歳、則自王公以下、
人生れて八歳なれば、すなわち王公より以下、
人が生まれて八歳になると、
天子や三公(太師:タイシ・太傅:タイフ・太保:タイホ))の子弟から
至於庶人之子弟、皆入小學。
庶人の子弟に至るまで、みな小学に入る
庶民の子弟に及ぶまで、みな小学校に入れ
而教之以灑掃應對進退之節、
しかしてこれに教うるに灑掃・応対・進退の節
そこで水をうって掃除をしたり、人との受け答えをしたり、
立居ふるまいをしたりすることの折りめや、
禮、樂、射、御、書、數之文。
礼・楽・射・御・書・数の文をもってす。
礼儀作法と音楽、弓射(キュウシャ)や馬車の扱い、
読み書きと算術などの六芸の学科を教えた。