【自暴】は、自らを暴(そこな)う、自らを害するという意味です。
【自棄】は、自分から自分を捨てて顧みない、自棄(やけ)になることを意味しています。
【自暴自棄】は、自分で自分の身をそこないすてると言う意味から、やけになる、すてばちになると言う意味を表す四字熟語として今は使われています。
何が原因で【自暴自棄】になるのかと言うのが、『孟子・離婁(リロウ)上篇』に出ています。離婁というのは、伝説の人の名前です。視力がものすごく良かったそうです。 百歩離れたところからからでも、動物の毛を見分けることができたそうです。
孟子曰く、自ら暴(そこな)う者は、与(とも)に言うあるべからざるなり。
自ら棄(す)つる者は、与(とも)に為すあるべからざるなり。
孟子が言っているのは、
自らをそこなう者とは、ともに語ることはできないし、
自らを捨てるような者とは、ともに行動することはできない。ということです。
自暴の者というのは、口を開けば礼儀とは、道徳とは、と言ってそれらをけなしている人のことです。
自棄の者というのは、自分などには、礼儀とか道徳とかを行う資格はないと言っている人のことです。
そうして、孟子は更に
そもそも「仁」は安心して住める家のようなものであり、「義」は人の通るべき正しい道である。
ところが彼ら【自暴自棄】の者たちは、この安全な家を空っぽにして住もうとも思わないし、また正しい道を通ろうともしない。さてさて嘆(なげ)かわしいことだと、結んでいます。
結構、高尚な【自暴自棄】なんですね。
打ち上げに失敗したからと言って、【自暴自棄】になって核実験などやらないで下さい。
三代目さん。