子や孫の後の者をいいます。子や孫の後々まで、未来永劫続くことを望む言葉です。
【子孫】を重ねて強調した四字熟語です。
『書経』梓材(シザイ)篇の【子々孫々】です。
已(ああ)茲(かく)の若くにして、監(カン)惟(こ)れ曰はん、
ああ、このようにしてこそ、監督者は言うでありましょう、
萬年(バンネン)に至るまで、
万年(ののち)に至るまで
惟(こ)れ王の【子子孫孫】、
それ王の子子孫孫は
永く民を保(やす)んぜんと欲す。
ながくこの人民を安んずる(ことができる)、と。
本邦、續日本紀(ショク二ホンギ)巻第四和銅元年七月条に、【子子孫孫】の記載があります。
和銅元年(708年)は43代元明天皇のときで、武蔵野国で和銅が見つかり献上され和同開珎が発行された年です。
勅(みことのり)して曰(のたま)はく、
卿等(なむたち)情(こころ)に公平(コウヘイ)を存(たも)ち、百寮(ヒャクリョウ)に率先す。
朕(われ)これを聞きて懷(みこころ)に憙(よろこ)び慰(なぐさ)む。
思ふに卿等(なむたち)の如此(かく)あるに由(よ)りて、
百官を本として、天下平民に至るまで、
埀拱(スイキョウ)して衿(えり)を開き、長久(チョウキュウ)平好(ヘイコウ)なり。
また、卿等(なむたち)の【子子孫孫】も。各(おのおの)榮命(エイメイ)保ちて、
相繼(あいつ)ぎて供奉(つかえまつ)らむ。
この意(みこころ)の如く各自(おのおの)努力(つと)むべし。