「乾坤一擲」とも言います。思い切って、伸(の)るか反(そ)るかの大勝負にでること。「乾」は『易経(えききょう)』の卦(け)の一つで、天を意味し、数のうえでは偶数を言います。「坤」は地を意味し、奇数を表します。「擲」は投げ打つという意味です。「一擲乾坤」で一か八かの大勝負に出て、賭けのサイを振るというような意味で使われます。すべてを運に任せて、思い切って事を起こすことです。
「一擲乾坤」の出典は、唐の韓愈(かんゆ)の『鴻溝(こうこう)を過ぐ』の詩です。
『誰か君王に勧めて、馬首を回(めぐ)らし、眞に一擲を成して乾坤を賭(と)せん。(誰が君主に勧めて馬をひき返させ、あと一回の大勝負に天地を賭したのだろうか)』。
楚の項羽と漢の劉邦が秦滅亡後天下を分けての戦いの最後半、鴻溝という河を境に天下を二分して、兵を引き上げようと約束しました。互いに故郷へ向けて帰るその時、いま討たないと後顧(こうこ)に憂いを残します、という家臣の進言で、劉邦は引き返して項羽を攻めました。そうして天下は劉邦のものになり漢王朝が成立しました。
27日の大阪府知事・市長選挙結果の新聞見出しは、【橋下氏、府・市の百年戦争に終止符打つ】でした。