【勢・利・紛・華】は、権勢・利益・紛飾・華美をいいます。これらは、人を堕落させる原因となるものです。
粉飾と華美には近づくな、権勢と利益は用いるな、と『菜根譚』前集第4章からの教示です。
勢利紛華、不近者為潔。
勢利紛華(セイリフンカ)は、近づかざる者を潔(きよ)しとなし、
権勢や利益、粉飾や華美というものに、近づかないように心掛けている人は潔白な人である。
近之而不染者為尤潔。
これに近づきて而(しか)も染まらざるものを尤(もっと)も潔しとなす。
しかしそれらに近づいても、その悪習に染まらない人が最も潔白な人であ。
智械機巧、不知者為高。
智械機巧(チカイキコウ)は、知らざるものを高しとなし、
権謀術数を知らない人は、高尚な人です。
知之而不用者為尤高。
これを知りて而も用いざる者を尤も高しとなす。
しかしそれを知っていても、自分ではそれを用いない人こそが、最も高潔な人です。