広く豊かな学識を持ち、知恵の働きも卓越していることを表しています。
【博】は、音:ハク。義:ひろい。形声文字です。部首は「十」です。
正字体は、十+甫+寸 から構成されています。
【学】は、漢音:カク、呉音:ガク。義:まなぶ。会意文字です。部首は「子」です。
正字体は、【學】です。
【博学】は、① 広く学ぶ、② 学問に広く通じていること、です。
【才】は、漢音:サイ、呉音:ザイ。義:さい。象形文字です。部首は「扌」です。
十字形の標識がもとになって作られました。
【穎】は、音:エイ。義:①穂先、②優れる。形声文字です。部首は「禾」です。
「頴」は、禾の形を含まず、【穎】の俗字です。
【才穎】は、知恵が非常に優れていることです。
中島敦著『山月記』の冒頭の部分に【博学才穎】がでています。
隴西(ロウサイ)の李徴(リチョウ)は【博学才穎】、天宝の末年、若くして名を
虎榜(コボウ:科挙の合格者を掲示する板)に連ね、ついで江南尉に補せられたが、
性、狷介(ケンカイ:人と妥協しない)、自ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、
賤吏(センリ)に甘んずるを潔(いさぎよ)しとしなかった。いくばくもなく官を
退いた後は、故山、虢略(カクリャク)に帰臥(キガ)し、人と交を絶って、ひたすら
詩作に耽(ふけ)った。