道理や人の道に外れていることをいいます。
【無理】は、道理に反することです。
「無理が通れば道理が引っ込む」、
「君が怒るのは無理もない」
「無理往生」 無理に服従させ、おしつけてやらせること。
「無理押し」 物事を、無理と知っていても強引に推し進めること。
「無理からぬ」 無理ではない。
「無理算段」 無理をして、融通をつけること。
「無理強い」 他人に物事を無理におしつけること。
「無理難題」 無理な言いがかり。
「無理無体」 無理やりにすること。
「無理やり」 無理を強いて行う様子。
【非道】は、道理・人道にはずれていること。
「極悪非道」 この上なくよこしまなこと。
「非道に人をさいなむ」
「非道な扱い」
【無理非道】は島崎藤村『夜明け前』第二章 四 に2か所でてきます。
その時、半蔵は峠の組頭から聞いた言葉を思い出した。いずれ中津川からも人が出張してい
るから、とくと評議の上、随分一札(イッサツ)も入れさせ、今後【無理非道】のないよう
に取り扱いたい、それが平助を通して聞いた金兵衛の言葉であることを思い出した。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
このたび組定(クミジョウ)とりきめ候上は、双方堅く相守り申すべく、万一問屋
【無理非道】の儀を取り計らい候わば、その節は牛方どもにおいて問屋を替え候とも苦しか
らざるよう、そのだんごひきあいおろされたくこうこと。