【功成り名を遂(と)ぐ】と訓読みされることが多い四字熟語です。
成功して名声を上げることを表します。名を上げた後どうするか大事なところです。
出典は『老子/運夷(ウンイ)第九』です。
『運夷第九』は平安な場所に移ると言う意味です。 この章で老子が云わんとしているのは、
成功して名をあげたら、サッサと引退するのが人の道にかなった振る舞いですと言うことです。
短いので全文を掲げます。
持して之を盈(みた)すは其の已(や)むに如(し)かず。
入れ物に水を一杯にして、こぼす心配するくらいなら、一杯にしなけば良い
揣(きた)へて之を鋭くすれば長く保つ可(べ)からず。
刃物を鍛(きた)えて鋭くし過ぎれば、長持ちしない。
金玉(キンギョク)堂に滿つれば之を能く守る莫(な)し。
財宝を貯め込み過ぎると、それを守るのは大変だよ。
富貴にして驕(おご)れば自(おのずか)ら其の咎(とが)を遺(のこ)す。
偉くなって威張りくさると、他人に恨まれるよ。
功成り名遂げて身退(みしりぞ)くは天の道なり。
成功して名をあげたら、サッサと辞めなさい。それが人の道というもの。
『老子』は超俗なことばかりが書かれていると思ってましたが、実は処世訓も沢山ありました。
総理大臣経験者の皆さま、【功は無くとも名を遂げ】られたのですから、『老子』も言ってますように、サッサと辞めて下さい。 お願いします。
長居していると、ロクなことしませんからね。それに何もしないでただ居るだけの人に、高額な手当を払う余裕は、国にはありません。