【支離】は、①バラバラに離れること、②めちゃめちゃにすること、③身体に障害のある人、などの意味が
あります。
【滅裂】は、①離れ離れになること、②軽率で疏略なこと、③ズタズタに断ち切ること、などの意味が
あります。
【支離】も【滅裂】も、ある状態を表す擬態語ですし、シリ、メツレツともに二音めがそれぞれイ、ツとそろう
畳韻(ジョウイン)語といわれています。
【支離滅裂】は現在、【支離】の①と、【滅裂】の①が組み合わさって、バラバラ感をより強調した四字熟語として使われることが多いです。
しかし、【支離滅裂】と、まとまった形では、中国古典に出てきません。それこそバラバラに出てきます。
『荘子/人間世(ジンカンセ)』に【支離】の使用例があります。しかしそれは「支離疏(シリソ)」という形で、意味は「不具者の疏(人名)」であって、【支離】を③の体の不自由な人という意味で使っていて、バラバラになると言うのとはチョット違いました。
【滅裂】も『荘子/雑篇・則陽(ソクヨウ:人の名前です)』に使われています。
『民を治むるに滅裂なること勿かれ』 は民を治めるには、軽率ではいけないと、言うことですから【滅裂】の②で使われた例です。
藤村修官房長官が橋下市長の言動を「支離滅裂」と批判したことについて、【支離滅裂】の四字熟語を調べてみましたが、かえって【支離滅裂】の状態になってしまいました。