自由を奪われ思いどおりに生きることのできない境遇にあることの譬えです。
【籠鳥】は、籠(かご)の中に閉じ込められた鳥のことです。
【檻猿】は、檻(おり)の中に閉じ込められた猿のことです。
申歳に因みまして猿の字を含んだ四字熟語です。
【籠鳥檻猿】は、白居易の、『山中与元九書因題書後:山中にて元九(ゲンキュウ)に書を与(あた)え因(より)て書後(ショゴ)に題す』の詩の中にでてきます。
元九は元稹(ゲンジン)のことで白居易の無二の親友です。
元稹は節度使として西胡の地にあり、白居易は元和十年(815年)江州司馬として左遷され、 離れ離れになっていたときの詩です。
憶昔封書与君夜 昔、君に書を書いた夜は
金鑾殿後欲明天 金鑾殿(キンランデン)、まさに夜が明けなんとす
今夜封書在何処 今夜、君に書を書いているのはどこなのか
廬山菴裏曉燈前 廬山の庵の灯火の元
籠鳥檻猿倶未死 籠の中の鳥、檻の中の猿、ともにまだ死なず
人閒相見是何年 人の世で、会えるのは、いずれの年か
【籠鳥】、【檻猿】を、白居易と元稹に譬えています。