【厚顔】は、厚かましく恥じを知らないことを表します。
【無恥】は、文字通り、恥を知らない、恥を恥とも思わないと言う意味です。
【厚顔無恥】は、厚かましく、恥知らずなさまを表す四字熟語です。また 他人の迷惑など一向に構わず、
自分の都合や思惑だけで行動することも表します。
六朝時代の周顒(シュウギョウ)は鍾山(ショウザン:別名・北山)で隠遁生活を送っていましたが、齊の朝廷
からお声がかかるとホイホイと、出かけていき、求めに応じて県令(日本の県知事みたいな官僚)になってしまいました。
風雅を好む実直な人、孔徳璋(コウトクショウ:448~502)は、周顒が隠逸(インイツ)の志を変えて、俗悪な官僚になったのを軽蔑し、『北山移文(ホクザンイブン)』を書いて、周顒を二度と鍾山に立ち入らせないようにしました。
周顒の様な節操を守らない人間が、この山を通ると、山川草木が汚れるから、立ち寄ることを許さないというのです。キビシイ。
その『北山移文』に【厚顔無恥】が出ています。
豈 芳杜(ホウト)をして顔を厚うして、薜荔(ヘイレイ)をして恥づる無からしむべけんや。
(節操のないヤツを再び山に入れると言うことは)色は綺麗だけれど、味がよくないヤブショウガを、
厚顔な草と言ったり、香りはよいが他の木に絡みつく マサキノカズラ(蔓草の一種)を無恥な草と、
言ったりするのと同じだ。そんなことして、いいわけはない。(だから周顒を二度と鍾山に立ち入ら
せてはいけない)
【顔を厚うして、恥づる無し】ということで【厚顔無恥】の四字熟語が作られたようです。
誰も行けとは言ってない、行くなと言ってるのに、行っちゃう。
行けばロクなことにならないからと言ってるのに、行っちゃう。
元首相が要らんことをしてイランを訪問したのは、【厚顔無恥】以外の何物でもないと思いました。
案の定、イランに言葉尻をとられて、元首相だけならいざしらず、日本が世界から誤解されてしまいました。
全く、訳も分からず、余計なことやってくれたと、思いませんか。