【藍田、玉を生ず】と訓読みされまして、家柄のよい家から賢明な子弟が生まれることを言います。
【藍田】は、中国の陝西省にある山の名前で、美しい宝石の産地だそうです。宝石の名産地から、
評判どおりの美しい宝石が産出されるという意味から、生まれた四字熟語です。
三国時代、呉の孫権が諸葛恪(諸葛亮孔明の兄:諸葛瑾の長子)の優れた才をほめ、その父の瑾に言ったことばが、三国志 呉書諸葛恪伝注にでています。
恪少有才名。
恪少(わか)くして才名有り。
恪は若い時より才能があるという評判でした。
發藻岐嶷、
發藻(ハッソウ:光彩を放つ)岐嶷(キギョク:幼くて才気がある)、
光彩を放ち、幼くて才気がすぐれ、
辯論應機、莫與爲對。
辯論、機に應じ、與(とも)に對を爲(な)すもの莫し。
弁論も臨機応変であり、並ぶものなしの状態であった。
權見而奇之、謂瑾曰
權見て之を奇とし、瑾に謂ひて曰く
孫権は、恪の優秀さを見て、父の瑾に言いました。
藍田生玉、眞不虚也。
藍田玉を生ずとは、眞に虚ならざるや、と。
『藍田玉を生ず』とは、まさにこのことか。