【時ならざるは食(く)らわず】と訓読みされまして、季節はずれのものは食べない。と言う意味になります。
前後の文章は、
飯は饐(す)えて味の変ったものや、腐って肉のくずれた魚は食べないとか
色の悪いものは食べない。臭いの悪いものも食べない。料理の良くないものは食べない。
と、こうるさい話が続きます。
これがナント『論語』の文章なんです。第十篇の郷黨(キョウトウ)篇にでている文章です。
『論語』に書かれていることを頭では理解していても、実行しない人のことを『論語読みの論語知らず』と申します。『論語』は500章有ります、全部実行するのは無理です。
私はその中の一つしか実行できません。でもそれを毎日、一年365日一日も休まず実行してます。
私の自慢です。それは
【唯(た)だ酒は量無く、乱に及ばず】 です。
ただ酒はどれ位と、量は決めないが、酔って取り乱すことはない。
(お酒はなんぼ飲んでもいいが、乱れちゃダメだぞ。孔子の教えです)
笑ってはいけません。孔子の教なんですから。
食不厭精、膾不厭細。
食(いい)は精なるを厭(いと)わず、膾(なます)は細きを厭わず。
飯(めし)はよく精白したものを好んだ。膾は細かく切った物を好んだ。
食饐而餲、魚餒而肉敗不食。
食の饐(い)して餲(アイ)せると、魚の餒(あさ)れて肉の敗(やぶ)れたるは食(く)らわず。
飯は饐(す)えて味の変ったものや、魚も腐って肉のくずれたものは食べない。
色惡不食。臭惡不食。
色の悪しきは食らわず。臭(におい)の悪しきは食らわず。
色の悪いものは食べない。臭いの悪いものも食べない。
失飪不食。不時不食。
飪(ジン)を失えるは食らわず。時ならざるは食らわず。
料理の良くないものは食べず、季節はずれのものは食べない。
割不正不食。不得其醤不食。
割(きりめ)正しからざれば食らわず。其の醤(ショウ)を得ざれば食らわず。
切り方の正しくないものは食べない。料理に合った付け汁でなければ食べない。
肉雖多。不使勝食氣。
肉は多しと雖(いえど)も、食(し)の気に勝たしめず。
肉の量は多くても、ご飯の分量以上は食べない。
唯酒無量、不及亂。
唯(た)だ酒は量無く、乱に及ばず。
ただ酒はどれ位と、量は決めないが、酔って取り乱すことはなかった。