【一以て之を貫く】と訓読みされまして、一つの思いを貫き通す、と言う意味です。
『論語』里仁(リジン)篇にある言葉です。
弟子達が話し合っている時に孔子が、口をはさんで言った言葉のようです。
前後の文章を加えますと、【わが道は、一以て之を貫く】となってまして、【自分の人生は、ある一つのこと(仁)で貫いてきた】と言うことになります。
これを踏まえまして【一つの思いを貫き通す】、と言う意味です、と言ったのは私訳です。
以下に岩波文庫の『論語』金谷治訳注を掲載します。
子曰、參乎、吾道一以貫之。
子曰く、参よ、吾が道は一以て之を貫く
先生がいわれた、『参(しん・曽子の名)よ、わが道は一つのことで貫かれている。』
曾子曰、唯。
曽子曰く、唯。
曽子は『はい。』といった。
子出ず。門人問曰、何謂也。
子出ず。門人問うて曰く、何の謂いぞや。
先生が出てゆかれると、門人がたずねた、『どういう意味でしょうか』。
曾子曰、夫子之道、忠恕而已矣。
曽子曰く、夫子の道は、忠恕のみ。
曽子はいった、『先生の道は忠恕(チュウジョ)のまごころだけです。』
今日はノーベル賞受賞式です。
ノーベルが1896年12月10日に63歳で亡くなったことに因んで設定されました。