【德を度(はか)り、力を量(はか)る】と訓読みされまして、自分や他の人の德をはかり、能力を考えて、行動すべきであるということを表した四字熟語です。
【度】を、「ド」と読みますと「物差し」とか、「わたる」と言う意味になり、
「タク」と読みますと「はかる」とか、「かんがえる」と言う意味になります。
【力】を、「リョク」と読むのは漢音読み、「リキ」と読むのは呉音読みです。意味に変化はありません。
B.C.712年中国は春秋時代の出来事です。
鄭(テイ)という國と息(ソク)という國が互いに言いあいをして恨みあっていました。
息が鄭を攻撃して、息が大敗を喫しました。
そのことが『春秋左氏(サシ)伝』隱公(インコウ)十一年のところにでています。
息の師(軍隊)大いに敗れて還る。
息の軍隊が大敗して國に帰りました。
君子是(ここ)を以て息の將(まさ)に亡びんとするを知れり。
このことから君子は息がやがて滅亡することを知った。
①德を度(はか)らず、②力を量(はか)らず、③親(シン)を親しまず、
④辭(辞)を徴(あきら)かにせず、⑤有罪を察せず。
①(息の國は相手の)立派な德を考えず、
②自国の力の弱いことも見極めず、
③同姓で親しむべき間柄(にある相手国)を親しまず、
④言葉の是非を明らかにせず、
⑤(そのいずれが)罪あるかを深く考えず、
五の不韙(フイ)を犯して以て人を伐(う)つ。
(以上の)五つの不正を犯しながら(他国)を)伐った。
其の師を喪(うしな)ふや、亦(また)宜(むべ)ならずや。
息が大敗したのは、なんと当然なことではないか。