人間社会のいろんな事柄と言う意味です。
【人事】は、人間社会の事柄。
【百般】は、【般】に種類の意味がありますので、百の種類、すなわちいろんな種類と言うことです。
【般】は、舟+殳 とを組み合わせた会意文字です。舟は盤の形です。多くの漢和辞典で「ふね」としていますが間違いです。「殳」に打つの意味があります。盤は物を入れて運ぶものですが、この字の場合は楽器だそうです。舟(盤)を楽器として打つことを【般】といい「たのしむ」の意味を表す文字として作られました。白川静博士の説です。
佐藤一齋先生『言志晩録』219條で、志の持ち方の説明で【人事百般】がみられます。
人事百般
人事百般
人間社会のいろんな事柄については
都要遜讓
都(す)べて遜讓(ソンジョウ)なるを要す
人にへりくだり、譲ることが必要である。
但志則不讓於師可
但だ志は則ち師に讓らずして可なり
ただしかし、志だけは師にゆずらなくてもよい。
又不讓於古人可
又古人に讓らずして可なり
また古人にも譲らなくてよい。