喜怒哀楽を春夏秋冬になぞらえて説明した、佐藤一齋先生の『言志耋録:ゲンシテツロク』49條の四字熟語です。
喜気猶春。心之本領也。
喜気は猶お春のごとし。心の本領なり。
喜びは春のようなもので、これは心の本来の姿である。
怒気猶夏。心之変動也。
怒気は猶お夏のごとし。心の変動なり。
怒りは夏のようなもので、これは心の変動した姿である。
哀気猶秋。心之収斂也。
哀気は猶お秋のごとし。心の収斂なり。
哀れみは秋のようなもので、これは心の引き締まった姿である。
樂気猶冬。心之自得也。
樂気は猶お冬のごとし。心の自得なり。
楽しみは冬のようなもので、これは心に自ら得る姿を示している。
自得又復於喜気之春。
自得は又、喜気の春に復(フク)す。
この自得の姿が、また喜びの春に復(かえ)ってゆくのである。