【眞(シン)に大志有る者】と訓読みされまして、本当に大きな志を持っている人、という意味です。
大きな志を持っている人は、小さなことには拘らない、という意見もありますが佐藤一齋先生は、
小さなことも粗末にしないで務め励め、と教えています。
真有大志者、
真に大志有る者は、
本当に大きな志を持っている者は
克勤小物、
克く小物を勤め、
小さなことも粗末にしないで務め励み
真有遠慮者、
真に遠慮有る者は、
本当に遠大な考えをもっている者は
不忽細事。
細事を忽(ゆるがせ)にせず。
細かなことも、おろそかにしない。
【遠慮】の本来の意味は、遠き慮(おもんぱか)り、すなわち遠い将来までを考えることです。四字熟語で言いますと【深慮遠望:シンリョエンボウ】です。
『論語』衛靈公篇に、上記の意味の【遠慮】の説明があります。
人無遠慮、必有近憂。
人にして遠き慮無ければ、必ず近き憂有り。
目先の事にとらわれて、先の見通しがなければ、
必ず身近な所から心配ごとが起こって来るものだ、と。
これが変化しまして、現代の【エンリョ】は、他人に対して言葉や行動を控えめにすること、で使われるようになりました。江戸時代以降だそうです。