【鶴を断(た)ちて鳧(フ)に続(つ)ぐ】と訓読みします。
鳧はカモのことです。 鶴の長い脚を切って、カモの短い脚に継ぎ足してやればいいだろう。
そう思うのは人間の勝手。鶴もカモもどちらも喜びません。
自然のものにいたずらに手を加えてはいけないと言う意味から、無理をして規律に違反することのたとえに使われます。
出典は『荘子:駢拇(ベンボ)』です。
『長き者を余(あまり)有りと為(な)さず、短き者を足らずと為さず、是の故に鳧(フ)の脛(すね)は短しと雖(いえど)も、之を続がば則ち憂へ、鶴の脛は長しと雖も之を断たば則ち悲しむ。故に性の長きは断つ所に非ず、性の短きは続ぐ所に非ず、憂(うれい)を去る所無ければなり』
長いものを長すぎるとは考えず、短いものも短すぎるとは考えない。(すべて自然のままに従って、それに
人間的感情を混えない。このように自然に従うのが最良の道である。) そこで、カモの脚は短くとも、
それを伸ばしてやろうとすれば、カモは嫌がるし、鶴の脚が長いからと言って、短く切ってやると、
鶴は困るだろう。 だから、長いからと言って切っちゃいけないし、短いからと言って継ぎ足しても
いけない。 そうすることによって心配事がなくなる訳じゃないんだ。
『政府は2013年度の国家公務員の新規採用を09年度比で7割程度削減する案を府省ごとに提示した。』 と
新聞報道。
雇用の常識は、年寄りで、碌な仕事をしていないのに年収二千万も懐にしている輩を切って、優秀な新進気鋭の新卒者を採用することです。
間違ったことをしてはいけないと思います、・・・・・・ じゃなくて、しないで下さい。
これに限らず【断鶴続鳧】が党利党略のために、いかに多いことか。そうは思いませんか。
2012・4・4 記