水と空とがひと続きになって、同じ一色となっている様子を表した四字熟語です。
同義の言葉に【水天一碧:スイテンイッペキ】があります。
『菜根譚』の作者洪自生さんは後集45条で、春よりは秋の季節の方がよいと言ってます。四季に優劣はない筈なので、あくまでも作者の思い入れです。
春日気象繁華、
春日(シュンジツ)の気象は繁華にして、
春の日の気候は、万物を繁らせ華やかにし、
令人心神駘蕩、
人の心神をして駘蕩(タイトウ)ならしむるも、
人の心をのどかにゆったりとさせてくれるが、
不若秋日雲白風清、
秋日(シュウジツ)の、雲白く、風清く、
(それは)秋の日の様子が、雲は白く風は清く、
蘭芳桂馥
蘭(ラン)芳(かんば)しく、桂(かつら)馥(にお)い、
蘭はかんばしく、桂(木犀)はにおい、
水天一色、上下空明、
水天一色に、上下(ジョウゲ)空明(クウメイ)にして、
(昼は)水も空も同じ色となり、(夜は)月が澄んだ水中に明るく冴えて、
使人神骨倶清也。
人の神骨(シンコツ)をして俱(とも)に清(きよ)らかならしむるに若(し)かざるなり。
人の心も身体も両方ともすがすがしくさせるのには、とうてい及ばない。