土が崩れ、瓦がくだけるように物事が崩れて、もはや手の施しようがなくなる状態を表す四字熟語です。
淮南(ワイナン)王・劉安(リュウアン)の『淮南子:エナンジ』に周の武王が殷の紂王(チュウオウ)を攻め滅ぼす件を描写する部分に【土崩瓦解】の四字熟語が出てきます。 瓦解土崩となっているようです。どちらも同じです。
武王、左に黄鉞(コウエツ)を秉(と)り、右に白旄(ハクボウ)を執(と)り、以て之れを麾(さしまね)けば、則(すなは)ち瓦解して走り、遂に土崩して下る。
武王は左手で黄色のまさかりを摑(つか)み、右手で白い采配(サイハイ)を握って、指図をすれば、瓦が砕け、土が崩れた。
『史記・秦始皇本紀』で秦の滅亡に至る過程を論評するところがあります。司馬遷が記述したものではなく、後漢の班固が明帝の下問にこたえて、秦の過失を述べたものが、後世加筆されたものと言われています。そこでも【土崩瓦解】の四字熟語が出てきます。
・・・・・。 しかし、秦は永きにわたり、徐々に衰えていき、天下は土のごとく崩れ、瓦のごとく砕けたのである。たとへ周公のような有能な士が出たとしても、力を出す余地はなかったであろう。
古代中国では、土が崩れたり、瓦が砕けたりするのは国の亡びる象徴と、考えられていたようです。。