言語と文章は一つである、という意味で佐藤一齋著『言志後録』に述べられている四字熟語です。
第206章
言語文章。一也。文宜師經。
言語文章は一なり。文は宜しく經を師とすべし。
言語と文章とは一つである。文章は経書(四書・五経)を手本とするのがよい。
辭尚體要。周公也。
「辞、体要を尚(たっと)ぶ」は周公なり。
(書経に)辞は大要を尚ぶ (言葉は簡単明瞭が大切である)と周公がいっている。
辭達而已。孔子也。
「辭、達するのみ」は孔子なり。
(論語に)辞は達するのみ (言葉は意味が通じればよい)と孔子がいっている。
最後の文章、『辭達而已』は論語・衞靈公篇にでていまして、(言葉は意味が通じればよい)というのが普通の解釈、と言われていますが荻生徂徠は
「外交辞令は要するに(過不足なく意志や感情を充分に)通達することに尽きる」と解釈しているそうです。