飾り気がなく愚かで、そそっかしく、常軌を逸していることを表した四字熟語です。
『菜根譚』前集・第2章に、君子たる者の理想像が述べられています。
著者:洪自誠(コウジセイ)の思いです。
渉世淺、點染亦淺、
世を渉(わた)ること浅くば、点染(テンセン)もまた浅く、
世渡りをまだ知らない者は、世俗の悪い習慣に染まることもまた浅いが、
歷事深、機械亦深。
事を歴(ふ)ること深くば、機械もまた深し。
世の中の裏表をよく知ったものは、様々な権謀術数(ケンボウジュッスウ)を深く知る。
故君子、與其練達、
故に君子というものは、其の練達(レンタツ)ならんよりは、
だから、君子は、世俗のことによく通暁(ツウギョウ)しているよりは、
不若朴魯。
朴魯(ボクロ)なるに若(し)かず。
むしろ飾り気がなく愚直(グチョク)であるほうがよく、
與其曲謹、不若疎狂。
其の曲謹(キョッキン)ならんよりは、疎狂(ソキョウ)なるに若かず。
また、つまらない遠慮して慎み深いよりは、むしろ世間知らずで、常軌を逸していると
見なされるような人のほうがまだよい。