喜びと怒りと悲しみと楽しみの、様々な感情を並べて四字熟語にしたものです。
喜怒哀楽を素直に表すのがいいのかなと思っていたのですが、四書の「中庸」によりますとそうでもないらしいのです。ほどほどに、調和を保ってということのようです。
『中庸』第一章を出典としています。
喜怒哀楽之未発、謂之中
喜怒哀楽の未だ発せざる、これを中と謂う。
喜・怒・哀・楽などの感情が動き出す前の平靜な状態、
それを『中』という。
発而皆中節、謂之和。
発して皆(み)な節(せつ)に中(あた)る、これを和と謂う。
感情は動き出したが、それらがみな然るべき節度にピタリと適っている状態、
それを『和』と言う。
中也者、天下之大本也。
中なる者は天下の大本(タイホン)なり。
こうした『中』こそは世界中の偉大な根本であり、
和也者、天下之達道也。
和なる者は天下の達道(タツドウ)なり。
こうした『和』こそは世界中いつでもどこでも通用する道である。
致中和、天地位焉。萬物育焉。
中和を致して、天地位(くらい)し、万物育(イク)す。
『中』と『和』とを実践すれば、(人間世界だけでなく)天地宇宙のありかたも
正しい状態に落ちつき、あらゆるものが健全な生育をとげることになるのだ。
感情のおもむくまま、泣いたり笑ったりしちゃダメなのかなぁ~。