【其の初心を原(たず)ぬべし】と訓読みされまして、
仕事に行き詰まったようなときには、初心に立ち返って考え直してみるべきであることを表した四字熟語です。
『菜根譚』前集・30章にでています。
事窮勢蹙之人
事(こと)窮(きわ)まり勢い蹙(せま)るの人は、
仕事に行き詰まって、形勢が悪くなった人は、
当原其初心
当(まさ)に其の初心を原(たず)ぬべし。
よろしくその初心に立ち返って考え直してみるべきである
功成行満之士
功成り行(おこな)い満(み)つるの士は、
すでに功成り名遂げた人は、
要観其末路
其の末路を観(み)んことを要す。
行く末のことを見定めておくことが必要である。
日本での【初心忘るべからず】は、世阿弥の『花鏡:カキョウ』ではこのようになっています
然(しか)れば、當流に、萬能一德(マンノウイツトク)の一句あり。
初心忘るべからず
此句、三ヶ條の口傳(クデン)在り。
是非(ゼヒ)の初心忘るべからず。
時々(ジジ)の初心忘るべからず。
老後(ラウゴ)の初心忘るべからず。