【璞玉】は、まだ磨かない玉、あらたま。【渾金】は、精錬されていない金属、あらがね。
そこから、すぐれた者になる可能性を秘めた人材と言う意味です。
『世説新語』賞譽篇にでています。
王戎目山巨源、
王戎(オウジュウ)、山巨源(サンキョゲン)を目(モク)すらく、
王戎が山巨源(=山濤:サントウ)を評して言いました
如璞玉渾金。
璞玉渾金の如し。
まるであらたまか、あらがねのような人物だ。
人皆欽其寶、
人皆其(そ)の寶(たから)なるを欽(よろこ)ぶも
誰もみな寶として貴ぶが
莫知名其器
其の器に名づくるを知る莫(な)し
何の器といっていいのかな
王戎、山巨源(=山濤)は、晋代に,世俗を避け、琴と酒を楽しみ,清談にふけったとされる竹林の七賢と謂われた二人です。
他の五人は、
阮籍(ゲンセキ)・嵆康(ケイコウ)・向秀(ショウシュウ)・劉伶(リュウレイ)・阮咸(ゲンカン)です。